奈良県立医科大学
循環器内科

　Nara registry and analyses for heart failure (NARA-HF) studyは急性心不全患者を対象としたダイナミックコホート研究です。
NARA-HF studyの対象は急性非代償性心不全(ADHF)のため，当院へ初めて入院し、同意が得られた全ての患者さんであり，2011年4月から前向きに全例登録し，2年ごとに予後調査を施行しています。単施設のデータである強みを活かし、細やかなデータやフォローを行えることが本研究の強みです。このため2023年までに20編以上の研究内容を論文化し、世界に向けて報告しています。研究テーマは様々であり、バイオマーカーだけでなく、心エコー所見、呼吸機能検査および24時間血圧の結果を用いたエビデンスも報告しています。

　またダイナミックコホートであることから、経時的な変化を確認することが出来るもの特徴の一つであり、その一例として、ここでは2011年から2020年までの予後や心不全のタイプについて、年代別の推移を紹介します。

　ARNIやSGLT2阻害薬を中心とした新たなエビデンスの出現により、ここ数年で心不全治療は大きく変化しております。この変化に対応するとともに、これからも世界に向けて、NARA-HF studyからエビデンスを発信し続けていきます。